出店者向けサービス

ここでは3大ポータルサイトのサービスをユーザー向け(購買者向け)の視点ではなく、サイトに出店する出店者(ショップ運営側)の視点で、比較したいと思います。

アマゾン、楽天市場、ヤフーショッピングに自社(自分)の商品を出品したい場合、3社でどのような違いがあるのでしょうか。サービス項目別にまとめてみました。

初期費用

アマゾン    楽天市場    ヤフーショッピング
初期費用 0円(無料) 60,000円 0円(無料)

自分(自社)の商品を出品したい場合の初期費用に関して、アマゾンとヤフーは料金がかかりませんが、楽天のみ6万円かかります。昔、ヤフーは初期費用を設定していましたが、近年撤廃して無料になりました。そのことによって出店者数が急速に拡大しています。

この背景から、出店者数でいうとヤフーが最も多く、出店者側からするとライバルが多いということになります。購買者側からすると出店者が多い方が、商品数も多くなるのでメリットを享受できますが、全体的にみると一長一短といったところでしょうか。

出店者負担のハードルを低くした分、個々に委ねられる顧客対応やマナーも大事にしていかなければ、他店との差別化も図れないでしょう。

 

月額費用

アマゾン    楽天市場    ヤフーショッピング
月額費用 0円(無料)
 ※小口出品の場合
 ※1件成約につき100円
4,900円
 ※大口出品の場合
19,500円/がんばれplan
39,800円/ライトplan
50,000円/スタンダードplan
100,000円/メガショップplan
0円(無料)

月額費用はヤフーのみ無料となっており、この事からも、近年出店者数が急速に拡大した背景がうかがえます。

アマゾンは個人や個人事業主向けの「小口出品」と、本格的な事業向けの「大口出品」に分かれており、「小口出品」であれば無料ですが、1件売れるごとに100円の成約料が取られます。

楽天は4プランありバリエーションが豊富ですが、3社の中で一番高い設定になっています。ちなみに「ライトplan」は契約期間を3ヶ月で設定できるので、販売期間が短い場合におすすめのプランです。

全体的にみると、初期出費を抑えたい出店者側からすれば、アマゾンとヤフーのコストパフォーマンスは魅力的にみえます。しかし、実際に商品が売れるかどうか?、はまた異なる問題になるでしょう。

 

売上ロイヤルティ

アマゾン    楽天市場    ヤフーショッピング
売上ロイヤルティ 8%〜15% 3.5%~7.0%/がんばれplan
3.5%~5.5%/ライトplan
2.0%~4.5%/スタンダードplan
2.0%~4.5%/メガショップplan
0円(無料)

売上ロイヤルティ(販売手数料)においても各社数字が異なりますが、こちらもヤフーは無料になっています。ここまで無料だと、新規参入者はヤフーを選びたい気持ちになるのではないでしょうか。

アマゾンは売れた商品カテゴリーによって料率が変わります。例えば、カメラやパソコンは8%、食品・飲料は10%、本・DVD・インテリアは15%といった設定になっています。出店者側としては、自社の商品カテゴリーの料率を事前に調べて販売戦略を立てることをおすすめします。

楽天は月額費用と同様、プランによって異なってきます。一番月額費用が安い「がんばれplan」だと、3.5%〜7%と高い料率が設定されているので、こちらも自社の販売シミュレーションをすると良いでしょう。

 

Point原資負担

アマゾン    楽天市場    ヤフーショッピング
Point原資負担 0% 1% 2.5%~16.5%

Point原資負担とは、商品が売れた時に購入者に対して与えるPointになります。アマゾンはありませんが、楽天だと「楽天スーパーポイント」、ヤフーだと「Tポイント」の付与がそれにあたります。

楽天は購入してくれた方に対して、原則1.0%の「楽天スーパーポイント」を負担する必要があります。

ヤフーに関しては料率が高く、最低2.5%の「Tポイント」を負担する必要があります。内訳としては、1%はストアポイント、1.5%はボーナスポイント充当分です。ボーナスポイント充当分は、ヤフーが行う企画イベントの際に使用されます。

ちなみにヤフーは2.5%までは出店者必須で負担しなければなりませんが、2.5%~16.5%の部分は、購入者に対して付与するポイントを任意で設定できるようになっています。

 

決済手数料

アマゾン    楽天市場    ヤフーショッピング
決済手数料 0円(無料) 月額固定費3,000円
+2.65%
+15円/件
コンビニ決済 150円~300円/件
ペイジー 150円/件
クレジット決済 3.24%
キャリア決済 4.48%
モバイルSuica決済 3.6%
Yahoo!マネー/預金払い 3.0%

購入者が決済した時にショップ側が負担する決済手数料は、3社ともに異なります。アマゾンのみ無料となっていますが、楽天とヤフーは料金が発生します。

特に楽天は唯一、月額固定費(3000円)を設定しているので、割高感が否めません。ヤフーは月額固定費はないものの、それぞれの決済手段に対する料金(料率)設定がやや高めと感じます。

出店者としては、売れた商品の単価が高ければ高いほど、料率で設定されているクレジットカード決済料の負担額も大きくなるので、しっかりとシミュレーションした方が良さそうです。

 

まとめ

総じて、「初期費用」「月額費用」「売上ロイヤルティ」がすべて無料のヤフーが割安に感じ、一方で各項目細かく設定されている楽天が割高に感じます。

新規参入者(出店者)からすれば、「とりあえず出費が少なそうなヤフーから始めよう」という決断になるのではないかと思いました。その結果が近年のヤフーショッピング出店者数の急増に繋がったのでしょう。

しかしながら、「Point原資負担」や「決済手数料」が無料であるアマゾンも、総合的に見ればメリットも多い部分もあります。出店者にとって大事なのは、「どれだけ商品が売れて、売上があがるか。」なので、出店しやすいからを理由に、サイトを選択するのではなく、冷静にシミュレーションを行いながら、判断していくといいでしょう。